偽り続けた刻

もの心がついた頃から偽りの私を演じる事に、疑問も持つ事なく生きてきて…そしていま。

これまで...3

私はが苦手だった、怖いとか嫌いとかではなく苦手。


いつも顔色を伺っていたし、の言う事は絶対だった。


家は塀が高く、まるで隔離されているような空間にいた。


広い庭があって、砂場やブランコ、池や花壇、イヌがいる。


外から見たら、幸せな家族に見えていたんだと思う。

これまで...2

食事もだが、家族で何かをしたという記憶がまったくない。


一人で本を読んでいる自分は覚えているし、本棚も並んでいた本も覚えている。


飼っていたイヌも良く覚えている、何をしていたか、イヌ小屋の色、表情、全てが鮮明に覚えている。


庭の配置、池や砂場や花壇の位置、塀の高さ...。


なのにそこに家族はいない。

これまで...1

私には家族と食事をした記憶がない。


家族と言っても父と母と私の三人。


父は一般的なサラリーマン お酒も飲めない人。


なのに一緒に食事をした記憶が一切ない。


何でなんだろう 本当に一緒に食事をした事がないのか 忘れてしまったのか。