私は母が苦手だった、怖いとか嫌いとかではなく苦手。
いつも顔色を伺っていたし、母の言う事は絶対だった。
家は塀が高く、まるで隔離されているような空間にいた。
広い庭があって、砂場やブランコ、池や花壇、イヌがいる。
外から見たら、幸せな家族に見えていたんだと思う。
もの心がついた頃から偽りの私を演じる事に、疑問も持つ事なく生きてきて…そしていま。
私は母が苦手だった、怖いとか嫌いとかではなく苦手。
いつも顔色を伺っていたし、母の言う事は絶対だった。
家は塀が高く、まるで隔離されているような空間にいた。
広い庭があって、砂場やブランコ、池や花壇、イヌがいる。
外から見たら、幸せな家族に見えていたんだと思う。
食事もだが、家族で何かをしたという記憶がまったくない。
一人で本を読んでいる自分は覚えているし、本棚も並んでいた本も覚えている。
飼っていたイヌも良く覚えている、何をしていたか、イヌ小屋の色、表情、全てが鮮明に覚えている。
庭の配置、池や砂場や花壇の位置、塀の高さ...。
なのにそこに家族はいない。
私には家族と食事をした記憶がない。
家族と言っても父と母と私の三人。
父は一般的なサラリーマン お酒も飲めない人。
なのに一緒に食事をした記憶が一切ない。
何でなんだろう 本当に一緒に食事をした事がないのか 忘れてしまったのか。